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2020.11.26

Connect Conflicts #1 ー 現金とキャッシュレス │ お金の未来

不確実な社会を乗り越えるためには、強靭さと柔軟さ、深化と探索などの方向性の違う実践の両立が求められています。ポストコロナに向けての変革を加速できるよう、未来の可能性を広げる視点を紹介します。


【現金】と【キャッシュレス】

これからの未来には、キャッシュレスと現金のバランスにどんな変化が起きるだろう?
銀行の統廃合、フィンテックやキャッシュレスが進んでいた中、新型コロナウイルス感染症によって銀行窓口を避ける、ATMの接触を避けるなどの行動も目立ってきました。今後「お金」との関わりはどうなっていくのでしょうか?私たちのこれからの「お金」との関わり方を考える契機となる未来シナリオを描いてみました。

「お金」を考える上で、2つの分岐点があります。

分岐点1:現金でのやり取りは残り続けるのか?
キャッシュレスが加速し、現金は使用されなくなっていく。また地域通貨や物々交換など「現金」を介さないオルタナティブな価値交換の動きも出始めている。一方で全てがデジタル化されるとお金の動きが全て見える化されてしまい、堅苦しい社会になってしまうかもしれない。
「現金」に代わる価値交換の仕組みが加速し、現金は無くなっていくのか?
それとも、「現金」としての新たな価値を見出し、主流として残り続けるだろうか?

分岐点2:銀行支店の役割は残るのか?
コンビニでの銀行手続きはもはや日常になってきている。お金の出し入れなどの機能はすでに代替され始めているともいえる。貨幣以外の情報や、人々が集い共創するような居場所を提供する銀行も出てきている。
銀行支店の業務はコンビニやネットで完結できるようになり、代替は進んでしまうのか?
それとも、銀行支店は新価値を創出し、新たな役割の場として進化するのか?

2つの分岐点から考えられる、4つの未来仮説を描きます。

未来仮説1:脱貨幣「新・信頼資本」シナリオ
貨幣以外の「信用資産」が運用され、新たな信用経済を廻す社会
銀行は、貨幣以外のもの(情報、知財、信用、文化など)を扱うようになり、物々交換のトレードセンターとなります。
個々人のスキル(お茶などの文化スキルなど)を銀行に預けることによって、個人の信用が生まれ、評価されます。銀行は、その資産を積極的に活用し、他の方に紹介したり、世界に発信し、投資対象となります。
給料がお金ではないところも登場しています。

未来仮説2:履歴を見える化「生涯家計簿」シナリオ
電子マネーになり、お金の流れが「データ化&活用」される社会
お小遣いやお年玉が現金ではなくなるなど、子供から大人まで現金が手元からなくなります。
電子マネーによって全ての人のお金の流れがデータとして見え、人の行動パターンがわかるようになるため(趣味特性、健康リスク等)、そのデータを活用することで、銀行はライフサポーターになっています。
一方、データが悪用されるのを防ぎ、行動を把握されないようにするための秘密口座も開設されるようになっています。

未来仮説3:現金に新たな価値「クールマネー」シナリオ
安心を追求、現金が信用そのもので「貴重品」となる社会
電子化が進むなか、サイバー犯罪などでお金が無くなることを防ぐために、現金は「現物」で持っておくという安全性が強まります。そこで、銀行は、自分の預けた現金を見に行く・確認しにいく場になります。
人と人の信用取り引きの象徴として現金が取り交わされ、その仲介を銀行が担っています。
銀行口座は残りますが、通帳はデータ化され、これまであちこちにあった銀行の支店は、土地に固定ではなくなり、ロボットATMなど移動式になって、移動困難な高齢者の住宅などに訪れてくれるようになります。

未来仮説4:資産を守れ「貸金庫」シナリオ
お金を便利に使いながらも、現金重視で「しっかり守る」社会
日給現金払いの人や仕事が増え、格差が広がることで現金のありがたみはなくなっておらず、現金払いのサービスは残っています。
そのため銀行のメイン業務は決済ではなく、貸金庫的な役割になっています。
24時間サービスで様々なところで現金を預け、引き出せる利便性と店舗セキュリティの強化の両立に銀行は注力しています。

問いかけ

今回は、「お金」について、4つの未来仮説を紹介しました。
キャッシュレスが進み、現金がなくなっていく未来が現実的となってきていますが、一方でサイバー犯罪や災害等によるブラックアウトなどの非常事態も増えていくことが予想されるなか、全てをキャッシュレスにしていいのかどうかといった課題も生まれつつあります。
現金とキャッシュレスのバランスをどう取るかを考えることで、新たなビジネスチャンスが見つかるかもしれません。

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