プロジェクト事例 PROJECTS
NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス「未来プロジェクト」

進化を続けるアスリートが、グランド外で取り組む“新たな価値創造”

概要

プロジェクト期間
2017年7月 - (継続中)
課題・背景
選手がグラウンド外で発揮できる価値とは?
支援内容
プロジェクトファシリテーション、ステークホルダーエンゲージメント、スポーツ共創施策支援、組織開発
体制

プロジェクトオーナー:上井雄太(フューチャーセッションズ)
小山優(フューチャーセッションズ)

NTTコミュニケーションズシャイニングアークスは、トップリーグ所属のNTTコミュニケーションズのラグビーチームです。「Victory」と「Value up」のふたつの“V”から、シャイニングアークスの価値を高めたいと考えています。
「Victory」については、チームの勝利に向かって厳しいトレーニングを重ねるなど、常に実践が行われています。「Value up」はアスリート自身の価値を企業の内外で高めていくことですが、プロジェクト開始当初は個人に委ねられていた部分が多く、チームとして具体的に取り組めていないことが課題でした。
アスリートの力を、グラウンド上だけではなく企業活動にも最大限生かしていくことを目的に、株式会社フューチャーセッションズのサポートの元、「未来プロジェクト」はスタートしました。

プロジェクトのスタートでは、「ラグビー選手が持っている強みは?」という問いを立て、ラグビー選手だけでなく、職場の上司や同僚、OBや社内の応援団社員の方々を招き対話を行いました。

(※画像 ラグビー選手が持っている『能力マップ』)

プロジェクトでは、ラグビー選手の持つ強みを活かしながら、選手自らが「Value Up」のためのアイデアを出し、様々な施策を生み出してきました。
1年目は、社員の健康づくりを中心にした「シャイニングアークス 健康アクションウィーク」を実施。数百名の社員が参加する独自の健康プログラムを多数生み出しました。
2年目は、千葉県浦安市に練習グラウンドを移転したこともあり、浦安市民のためにグラウンドを開放し、健康プログラムを提供。また、社員の福利厚生の一環で、土日に親子が楽しむ企画「MaPa Sunday」を実施しました。
3年目は、既存プログラムを運営しながら、地域の保育園と連携し、決められた試合のトライ数だけ、保育園の子供たちにおもちゃをプレゼントする企画「1TRY x1TOY」など、健康のテーマ以外のプログラムも、選手が中心となり企画運営いたしました。

そしてプロジェクト開始から4年を迎えた2021年、「未来プロジェクト」は新たな挑戦のチャンスを得ました。外部ステークホルダーであるNTTと株式会社オリィ研究所をパートナーに迎え、遠隔操作型の分身ロボット「オリヒメ」を活用したICT×スポーツ×地域の共創プロジェクト「E Cheer Up!」がスタートしたのです。ラグビー選手と地域の人々を「オリヒメ」でつなぎ、新たな応援・観戦体験を実現することで、スポーツチームの活性化および地域活性化について検証を行って参ります。

ストーリー

株式会社フューチャーセッションズは、よりよい世界をつくるためのクロスセクター対話を仕掛けるシステムチェンジャーとなることを目指しています。社会や企業の中で制度疲労が起きて持続可能性が担保できていない領域において、対話による集合知を持って、人々の価値観の変革を促します。
また、ハーバード大学のエリカ・チェノウェス教授が提唱するコミュニティの3.5%の人が動けば社会は変えられるという法則に則って、ステークホルダーとともに、プロジェクトに応じたクロスセクター母集団に対して、変革を働きかけて行きます。

―このプロジェクトによって起こしたいシステムチェンジは?
アスリートの価値はグラウンド上のパフォーマンスであるという概念が主流の中、現役時代は競技能力にフォーカスした育成が行われ、アスリート引退した後に支えとなるような、グラウンド外で発揮される能力育成が進まないのは大きな課題だと考えています。企業スポーツにおいて、組織運営も出来る管理職層の育成など、アスリートの価値を広く育成することはアスリートのセカンドキャリアを切り拓くためにも、企業自身のためにも、非常に重要です。
同時に、アスリート自身が主体的に組織や社会のために何ができるかを考えて行動を起こすことができるような変革を起こしたいと考えます。アスリートが企業の枠を超えて地域社会やステークホルダーと関わりを深めることで、地域からも企業スポーツが支持され、企業の多面的な価値が上がるというプラスの循環が生まれると考えます。

「未来プロジェクト」を通して、アスリートのセカンドキャリア育成に取り組むことに加え、アスリートの活動が企業スポーツの経営に対して事業成長に寄与することを示し、企業スポーツにおけるパラダイム・シフトを目指して取り組んでいます。

―このプロジェクトで変革を起こしたいクロスセクター母集団は?
トップスポーツ選手と関係するステークホルダーの皆様

―このプロジェクトによって生み出される価値観の変革とは?
・アスリートの価値はグランドだけで発揮されるものではなく、グラウンド外でも多面的に発揮することができるという価値観に基づいて、アスリートの考える新価値創造に取り組んでいます。その結果、企業スポーツとアスリートの存在が企業の事業や組織にポジティブな影響を与え、更にアスリートの多面的な成長がグラウンド上のパフォーマンスにも良い結果をもたらすという好循環を作って参ります。
・「未来プロジェクト」を通して、アスリートの多様な価値の活用を軸に、アスリートのセカンドキャリアや企業スポーツの持続可能な運営など、企業スポーツを取り巻く課題を解決する一つの形を提示したいと考えています。企業アスリートが、多様なステークホルダーとの共創を通じて、企業、地域社会、他企業にも価値を提供する、昭和時代とは異なる企業スポーツリソースの活用を実現して参ります。

―プロジェクトの歩み
【2017年】
株式会社フューチャーセッションズのサポートの元、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスで「未来プロジェクト」開始。
【2018年〜2020年】
社員の健康増進活動「シャイニングアークス健康アクションウイーク」、家族向けイベント「MaPaSunday」、地域の保育園と連携した「1TRYx1TOY」など「未来プロジェクト」から誕生した施策の実施。
【2021年】
日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社オリィ研究所と共にICT×スポーツ×地域の共創プロジェクト「E Cheer Up!」開始。
うらやす健康・元気コンソーシアム(浦安市、・医療法人社団城東桐和会タムス浦安病院、社会福祉法人聖隷福祉事業団、大塚製薬株式会社、千葉県立浦安南高等学校)の一環で、選手主導で、浦安市民・浦安市ケアハウス等向けの健康動画(体幹・認知症予防)を製作・オンラインでの体操コンテンツを実施。

プロジェクト参加メンバー PROJECT MEMBER

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